このツールについて
このツールは、ブラウザの中で動く消しゴムマジックです。写真を開き、写っていてほしくないもの――友だちの後ろを通った人、空を横切る電線、砂浜のゴミ箱、余計な看板――をなぞって「消す」を押すだけ。AI がなぞった部分を「たぶんこうだった」という背景で埋め、周りになじませます。何か所でも続けて消せて、手順ごとに元に戻す・やり直すができ、境界線をドラッグして元の写真と見比べられます。保存は元のサイズの JPEG か PNG。読み込みも編集も保存もこのタブの中で行われ、何もアップロードされません。
しくみ
モデルは LaMa(Large Mask Inpainting)。Samsung Research の Suvorov らが Apache-2.0 ライセンスで公開しているもので、このページでは風景写真のデータセット Places365 で学習した big-lama の重みを ONNX に変換し、ONNX Runtime Web でグラフィックボード上で動かしています。LaMa は常に 512 × 512 の画像を扱うため、写真全体を縮めるのではなく、なぞった範囲の 2.5 倍の正方形を切り出して 512 に縮めます。周りの様子が十分に見えるようにするためです。マスクは先に数ピクセル広げます。物の輪郭ぎりぎりのマスクだと、モデルがうまく埋められないからです。結果は元の大きさに戻し、広げたマスクの内側だけに 3 ピクセルのぼかしを付けて貼り戻します。その外側のピクセルは、元の写真と 1 ピクセルも変わりません。
得意なこと、苦手なこと
AI は隠れていた部分を「推測」しているだけで、本当の姿を知っているわけではありません。空、壁、芝生、砂浜、水面、雪のような単純な背景なら、たいてい跡が分からないほどきれいに消えます。人混み、文字、タイルやフェンス、並んだ窓のような規則的な模様は、ぼやけたり同じ柄が繰り返されたりしがちです。画面の半分を占めるような大きな物は、きれいに消えないことがほとんどです。なぞるときは少し大きめに、影や映り込みも含めてください。含めないとそこだけ残ります。一度で消えきらなければ、元に戻して少し広くなぞり直すか、残った部分をもう一度消しましょう。
必要な環境
最初に消すときに、モデル(約 208 MB)と推論エンジン(ONNX Runtime Web、約 26 MB、jsDelivr CDN から)を一度だけダウンロードし、以後はこのブラウザのキャッシュから読み込みます。続いてモデルをグラフィックボード向けに準備します。GTX 1060 で約 1 分、さらに最初の 1 回の消去に 30 秒ほどかかります。準備したモデルはページを開いている間は保持されるので、2 回目以降は 1 回あたり約 3 秒です。動くのは WebGPU だけです。CPU では 1 回消すのに 1 分以上かかったため CPU モードはなく、WebGPU のないブラウザやハードウェアアクセラレーションがオフの環境では、その旨を説明します。読み込める写真は長辺 8192 ピクセル、4000 万画素までです。保存するファイルは編集後の画像から作り直すので、位置情報やカメラ情報などの EXIF は引き継がれません。