このツールについて
USB で Android 端末を Chromium 系ブラウザーにつなぐと、このページは設定アプリが見せてくれないバッテリーの値を読み取ります。出荷時の設計容量、残量計がいま計測している容量、数えられた充放電サイクル数、そして 1 秒ごとの電圧・電流・そこから求めた電力・電池自身の温度です。どこにもアップロードしません。このページは背後にサーバーのない静的ファイルで、値は USB ケーブルを通ってこのタブに届き、タブを閉じれば消えます。
Android にバッテリー劣化度の画面がない理由
iOS は iOS 11 以降「バッテリーの状態」を表示しています。Android に同じものが無いのは、うっかり忘れたからではなく構造的な理由があります。その画面に必要な数字は残量計 IC のドライバーから来るもので、プラットフォームはそれを任意項目として扱っているのです。charge_full、charge_full_design、cycle_count はカーネルの power-supply クラスの属性で、ドライバーが公開してもしなくてもかまいません。どれも公開しない端末も、Android として完全に正しい実装です。つまり設定アプリに劣化度を載せれば、出荷中のかなりの割合の端末で空欄になってしまう。だから公開 API は残量・状態・温度・電圧までで止まっています。Android 14 でようやく公式のサイクル数フィールドが追加されましたが、埋めるかどうかはやはりメーカーの自由です。
charge_full が実際に測っているもの
charge_full_design はドライバーに埋め込まれた定数です。セルの仕様上の容量、つまり電池に印刷されている数字そのものです。一方 charge_full は定数ではありません。空から満充電までにこの電池が受け入れる電荷量を、残量計が充放電を観察しながら学習し直している推定値です。後者を前者で割ったものが、どのアプリで見る劣化度でも中身は同じ計算で、このページも例外ではありません。特徴的な挙動もそこから説明できます。深放電のあとに 1〜2 ポイント動くのは残量計が再校正しただけで電池は変わっていませんし、設計値が控えめな端末では 100% を超えることもあります。どちらも推定値の性質であってセルの性質ではないので、このページはならして隠すのではなくそのまま表示します。
端末によって表示できる情報量が違う理由
どの属性が存在するかは、残量計 IC、そのドライバー、そしてメーカーがドライバーのどこまでをユーザー空間に見せると決めたかで決まります。Qualcomm 系や Samsung 自社の残量計は容量の 2 値を公開することが多く、MediaTek 搭載機ではどちらも無いことがよくあります。ベンダーによっては battery ではなく bms や battery_ext というノードに置いていることもあり、このページはそれも探しに行きます。3 つのうちサイクル数が飛び抜けて珍しい項目です。取得できなかったときは、どの取得元が無かったのかを明示します。推定値で埋めることはせず、端末が答えなかった項目を 0 mAh や 0% と書くこともしません。でっち上げた 0 は、空のバッテリーと見分けがつかないからです。
パーセンテージの読み方と、読み違え方
細かい数値ではなく大まかな帯として見てください。設計容量の 80% 以上なら、購入から 2〜3 年の端末としては普通です。60〜80% では駆動時間の短さを実感でき、寒い日や負荷の高い使い方では特にそうです。60% を下回ると、カメラのフラッシュや寒い朝のように瞬間的な電流が必要な場面で、残量表示がまだ残っていても電源が落ち始めます。交換を正当化するのはこの症状です。この数字が答えられないのは「ここからあと何年もつか」で、それは今日の比率ではなく充電の仕方と温度で決まります。1 回の読み取りでは傾向も分かりません。1 か月後にもう一度見てください。
自分で変えられる変数は温度
リチウムセルを劣化させるのはサイクル数と、高温かつ満充電で過ごした時間の 2 つです。サイクル数は避けられませんが、温度はかなりの部分を自分で選べます。リアルタイムパネルが 40 °C を橙、45 °C を赤で示すのはそのためで、45 °C を超えたまま充電を続けると容量の減りが目に見えて加速します。端末が温まると充電を絞るのも同じ理由です。急速充電そのものより、それが生む熱のほうが有害なので、暖かい窓辺でケースを付けたまま充電している端末は、涼しい机の上の同じ充電器より確実に傷んでいます。充電しながらここの温度グラフを見れば、ケースを外すだけでどれだけ違うかが分かります。ここから先は、Web ADB ハブに端末全体のダッシュボードがあり、デブロートはバックグラウンドで電池を食うプリインストールアプリを消し、ストレージ解析はもう一つの「足りなくなるもの」を扱います。