pm install
端末を変えるすでに端末上にある APK を 1 つインストールします。`adb install` が内部でやっていることです。
- コマンド
- adb shell pm install
- コマンド
- パッケージ(pm)
- リスク
- 端末を変える
構文
pm install [-r] [-g] [-d] [-t] <path on device>フラグと引数
| トークン | 意味 |
|---|---|
| -r | 既存のインストールを、失敗する代わりに置き換えます。 |
| -g | 実行時パーミッションをインストール時に全部付与します。 |
| -d | バージョンのダウングレードを許します。既存データは新しいビルドが書いたもので、古い側が読めないことがあります。 |
| -t | testOnly 指定の APK を許します。 |
使用例
pm install -r /data/local/tmp/app.apk端末に push 済みのファイルからインストールまたは更新します。
pm install -r -g /data/local/tmp/app.apkインストールと同時に実行時パーミッションを付与し、初回起動でダイアログが出ないようにします。
rm /data/local/tmp/app.apk忘れられがちな後片付け。放っておくと staging したコピーが端末に残ります。
出力の読み方
出力例
Success`Success`、または理由を名乗る `Failure [INSTALL_FAILED_…]` です。検索すべきは括弧内のトークンです。同じ失敗が複数の形で届く(`Failure [CODE]`、`Failure [CODE: 説明]`、`Error: CODE`、あるいは Java の例外トレース)ので、特定の文型ではなくテキストのどこかにある `INSTALL_FAILED_` / `INSTALL_PARSE_FAILED_` を探してください。
出力フィールド
| フィールド | 意味 |
|---|---|
| Success | パッケージがインストールされました。 |
| INSTALL_FAILED_ALREADY_EXISTS | すでにインストール済みです。`-r` で置き換えられます。 |
| INSTALL_FAILED_VERSION_DOWNGRADE | インストール済みより古いバージョンです。`-d` で許可できますが、データの注意点があります。 |
| INSTALL_FAILED_UPDATE_INCOMPATIBLE | インストール済みのコピーと署名証明書が違います。 |
| INSTALL_FAILED_INSUFFICIENT_STORAGE | 空き容量が足りません。 |
| INSTALL_FAILED_MISSING_SPLIT | この APK は分割セットの一部です。セット全体をインストールしてください。 |
必要な権限
認可済みの `adb` 接続と、もう 1 つコマンド側では確認できないもの――指定したファイルを端末が読めること――が要ります。staging 先として `/data/local/tmp/` が慣例になっているのはそのためで、shell ユーザーが届かない場所に置いた APK は、中身のパッケージとは何の関係もない理由で失敗します。root も `su` も不要で、そもそも製品版ビルドでは `adb root` が使えません。アクセスチェックの先には、APK のせいにする前に知っておきたい関門があと 2 つあります。1 つは端末のパッケージ検証で、Play プロテクトを含めてインストールを丸ごと拒否できます。このパッケージのエラー表にある `disableVerifier` という対処は、まさにその場合のためにあります。もう 1 つは、端末側にダイアログが出るインストールがあることです。`unlockDevice` が対処として挙がっているのはそのためで、画面がロックされたままだと、インストールが応答待ちのまま諦めるところまで行きます。
エラーメッセージの読み解き
| メッセージ | 意味 |
|---|---|
| Failure [INSTALL_FAILED_UPDATE_INCOMPATIBLE] | インストール済みのコピーが別の鍵で署名されています。効くフラグはありません。このパッケージのプリフライトが「事前に分かる唯一の結末」として名前を挙げているのがこれで、対処はインストール済みのアプリをデータごと削除してから入れ直すことです。例外は、インストール済みの証明書から派生した v3 の rotation lineage を持つ APK で、これは何事もなく入ります。 |
| Failure [INSTALL_FAILED_VERSION_DOWNGRADE] | APK のバージョンコードが、すでに入っているものより下です。`-d` で許可できますが、注意点は儀礼的なものではありません。端末上のデータは新しいビルドが書いたもので、古い側はそれを読めないことがあります。動かすためにはそのアプリのデータを消すしかない、という結末もあり得ます。 |
| Failure | 括弧もコードもない、その 1 語だけの行です。古いビルドはこれを出すので、検索する手がかりが何も残りません。`recognizeInstallOutcome` はそれでも推測せず、失敗として分類します。これを表示したインストールは、何もインストールしていないからです。理由について何かを結論する前に、両方のストリームを取り込んで実行し直してください。 |
| Exception occurred while executing 'install': java.lang.SecurityException: | 同じ系統の失敗が届く 5 つの形のうちの 1 つです。欲しいトークンはこの行には決してありません。あるとすれば、その下のトレースの中です。認識器が文型を照合せず、テキスト全体から `INSTALL_FAILED_` / `INSTALL_PARSE_FAILED_` を掃き出すのはこのためです。 |
何が変わるか、そして戻る道
インストールは既にあるアプリを置き換えます。`-d` を付けるとダウングレードが許され、新しいバージョンが書いたデータを古い側が読めないことがあります。この組み合わせは、データを消すまでアプリが壊れたままになり得ます。それ以外に破壊的な要素はありません。戻る道は、元のバージョンを入れ直すかアンインストールすることです。
バージョンとメーカーに関する注意
- パスは端末上のパスです。APK が先に端末にある必要があり、だからデスクトップの `adb install` は push を代わりにやってくれます。
- base と `split_config.*.apk` からなる分割アプリにはこのコマンドは使えません。インストールセッション(`pm install-create`)を使います。
これには UI があります
APK Installer はこのコマンドを USB 経由で実行し、返ってきたものを解析します。Chromium 系ブラウザだけで、SDK も不要、どこにもアップロードしません。
関連コマンド
pm install と同じ作業で出てくるコマンド。
| コマンド | 何をするか |
|---|---|
| pm install-create | インストールセッションを開き、base とその split をまとめて 1 つの操作としてインストールします。 |
| pm uninstall | パッケージを削除します。ユーザー単位の削除なら、root なしでプリインストールアプリを片付けられます。 |
| pm path | インストール済みパッケージを構成する APK ファイルの絶対パスを表示します。 |
| rm | 端末上のファイル、またはディレクトリツリーを削除します。 |
他のパッケージ(pm)コマンド
| コマンド | 何をするか |
|---|---|
| pm list packages | インストール済みパッケージを一覧表示します。APK パス、uid、バージョンコード、インストーラも同時に取得できます。 |
| pm disable-user | パッケージを削除せずに、指定した Android ユーザーで無効にします。アンインストールより安全で、確実に戻せます。 |
| pm clear | アプリのデータを消去します。Android 13 以降ならキャッシュだけを消すこともできます。 |
| pm trim-caches | 指定した空き容量に達するまで、システムにキャッシュファイルを捨てさせます。 |
Web ADB ツール群のパーサを書きながら、AOSP・toybox・カーネルのソースに突き合わせて確認しています。バージョンやメーカーで本当に挙動が変わるところは、世界の半分の端末で間違いになる数値を出す代わりに、そう書いてあります。